○札幌市犯罪被害者等支援条例
令和7年2月28日条例第4号
札幌市犯罪被害者等支援条例
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)第3条の基本理念にのっとり、本市における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、基本的施策等を定めることにより、犯罪被害者等の個人としての尊厳の保持及び権利の保護を図るとともに、安全に安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(2) 犯罪被害者 犯罪等により害を被った者をいう。
(3) 犯罪被害者等 犯罪被害者及びその家族又は遺族(当該犯罪被害者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第9号アにおいて同じ。)をいう。
(4) 市民等 市内に住所を有し、勤務し、若しくは在学する者又は市内で活動を行う団体をいう。
(5) 事業者 市内で事業活動を行う者をいう。
(6) 民間支援団体 犯罪被害者等の支援を行う民間の団体をいう。
(7) 関係機関等 国、北海道その他本市以外の地方公共団体、民間支援団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。
(8) 二次被害 犯罪被害者等が、周囲の者の配慮に欠ける言動、インターネット等を通じて行われる誹謗中傷、報道機関(報道を業として行う個人を含む。)による過度の取材及び報道等により受ける精神的な苦痛、心身の不調、プライバシーの侵害、経済的損失その他の被害をいう。
(9) 再被害 次に掲げる害をいう。
ア 犯罪被害者が、加害者による当該犯罪被害者に対する別の犯罪等によって受ける害及び当該加害者による当該犯罪被害者の家族又は遺族(イにおいて「犯罪被害者家族等」という。)に対する別の犯罪等によって受ける精神的な苦痛、心身の不調、経済的損失その他の被害
イ 犯罪被害者家族等が、当該犯罪被害者に係る加害者による当該犯罪被害者家族等に対する別の犯罪等によって受ける害及び当該加害者による当該犯罪被害者に対する別の犯罪等によって受ける精神的な苦痛、心身の不調、経済的損失その他の被害
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられるよう、配慮して行われなければならない。
2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が安心して暮らすことができるよう、途切れることなく行われなければならない。
3 犯罪被害者等の支援は、二次被害及び再被害の発生の防止に留意して行われなければならない。
4 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて、市、市民等、事業者及び関係機関等が相互に連携し、及び協力して推進するものとする。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、関係機関等との適切な役割分担を踏まえて、犯罪被害者等の支援のための具体的な施策(以下「犯罪被害者等支援施策」という。)を策定し、実施しなければならない。
2 市は、犯罪被害者等支援施策の実施に当たっては、関係機関等と連携し、及び協力してこれを行わなければならない。
(市民等及び事業者の責務)
第5条 市民等及び事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分に配慮するよう努めなければならない。
2 市民等及び事業者は、市が実施する犯罪被害者等支援施策に協力するよう努めなければならない。
3 事業者は、犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるよう、その就労及び勤務について十分に配慮するよう努めなければならない。
(犯罪被害者等の支援に関する計画)
第6条 市は、犯罪被害者等支援施策を計画的に推進するための計画を策定するものとする。
2 市長は、前項の計画を策定するに当たっては、札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくりに関する条例(平成21年条例第17号)第12条第1項に規定する札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等審議会の意見を聴かなければならない。
(相談及び情報の提供等)
第7条 市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう、犯罪等によって直面している各般の問題について相談に応じ、適宜関係機関等との連絡調整及び市の関係部局間の連携を図った上で、必要な情報の提供及び助言を行うものとする。
2 市は、前項の相談に応じて必要な情報の提供及び助言を総合的に行うための窓口を設置するものとする。
(経済的負担の軽減)
第8条 市は、犯罪被害者等が犯罪等によって受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対し、給付金の支給その他の必要な支援を行うものとする。
(民間支援団体への支援)
第9条 市は、基本理念にのっとって行われる活動の促進を図るため、民間支援団体に対し、市が実施する犯罪被害者等支援施策に係る情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
(広報及び啓発等)
第10条 市は、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の支援の必要性、二次被害及び再被害の発生の防止の重要性等について市民等及び事業者の理解を深めるための広報及び啓発を行うものとする。
2 市は、犯罪被害者等の支援に係る人材の養成及び資質の向上等について必要な施策を講ずるものとする。
(意見等の反映)
第11条 市は、犯罪被害者等の支援に当たっては、犯罪被害者等、有識者その他市民等からの意見、要望等を把握し、犯罪被害者等支援施策に反映させるよう努めるものとする。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。
(次のよう略)