障がい者によるまちづくりサポーター制度 第8期活動報告書 (活動テーマ:人にやさしい共生社会を目指して 他) 令和6年(2024年)5月 札幌市障がい者によるまちづくりサポーター 一同 目次  はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・2ページ    サポーターの活動状況 ・・・・・・・・・・・5ページ   1 会議   2 意見交換会   3 講義   4 アンケート協力   5 活動報告     活動内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9ページ   1 人にやさしい共生社会を目指して(メインテーマ)   2 行政の情報保障(サブテーマ)     おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・34ページ  サポーター名簿・・・・・・・・・・・・・・36ページ はじめに  障がい者によるまちづくりサポーター制度は、障がいのある方が普段思っていることや考えていることを、同じ目線で理解や応援することができる障がいのある方に、聞き取り役や取りまとめ役となる「サポーター」になり、障がいのある方の意見を市政に反映させていこうとするものです。  私達8期11名は、活動にあたり、まずメインテーマを『人にやさしい共生社会を目指して」に決めました。話し合いの中で「共存」「共生社会」「優しさを広める」「橋渡し」という想いを大切にしたいとの声が挙がってきたからです。さらに、これまで通り、より取り組む課題を絞り込んで「行政の情報保障」というサブテーマを設けました。理由は、@障がいのために情報を外から取り込むことが難しい人が多いのではないかA行政からの積極的な情報発信を必要としている障がい当事者が多いのではないか、との共通した疑問が生じ、それならば、我々「まちづくりサポーター」がそういった声をとりまとめれば良い、という結論に至ったからです。  今回の活動開始時期は、新型コロナウイルス感染症流行の真っ只中でもあり、当初はオンラインで会議を進めざるをえない部分もありましたが、会議の場に足を運ぶことが難しいメンバーもいることから、感染状況が落ち着いた後も会議は会場参加とオンライン参加のハイブリッド携帯で進めました。この形態はそれぞれの障がいや体調に配慮した社会参加となるよう今後も続けてほしいです。  私達は札幌市のあちこちで暮らしている障がい当事者の声や想いを拾い上げるためアンケートの実施を決め、広報さっぽろ、札幌市公式ホームページ、各団体様で呼びかけて回答を収集できました。しかし、回答の分析は、かなり困難な作業のため、一定のメンバーに負担が集中してしまったのですが、なんとか提言として今回の報告書にまとめられました。  この「まちづくりサポーター」会議は、大変有意義な活動だと思います。なぜなら、さまざまな障がいがある札幌市民がひとつの課題に対して話し合いの場を持つことは通常の生活では体験できないからです。そして、自分と異なる他の障がいへの理解や、自分の障がい領域に偏らないよう配慮することなど、とても大切なことを学ばせてもらえたからです。  とりわけ、代表として私がいつも気をつけてきたことは、拾い上げた各メンバーの思いをどこに着地させるか、どうやって各メンバーが共感できる着地点にできるかということですが、私の力不足もあり、各メンバーには少し頼りがいのない代表だったかもしれません。  私自身には視覚障がいがあり、ほとんど見えない状態です。ハイブリッド形態のため、会議の場に足を運ばなくても進行はできましたが、それ以前に、資料の読み込みなどの準備を始め、会議中も音声の出るパソコンで資料を確認しつつ、同時に各メンバーの発言にも気を配りながら進行させるのは、なかなかの大変さがありました。もちろん、障がいが異なれば、大変さも異なるので、メンバーごとに苦労はあったと想像します。そのため、個人的には、各メンバーの特性や「まちづくりサポーター」の活動全体の状況を的確に判断し、専門的な立場から助言をもらえるような有識者がオブザーバー的にいると、会議も活動そのものも、もっとスムーズに進んだように思います。これは来期以降の課題としたいところです。  とはいえ、こうして無事に任期を終えることができたのも事務局の皆さまやメンバーの方々、そして何よりもアンケートに協力いただいた方々のおかげだと思っております。どんな障がいを持っていても、住みやすい札幌になることを願い、巻頭の挨拶とさせていただきます。   第8期札幌市障がい者によるまちづくりサポーター代表 山田 英雄 サポーターの活動状況 1 会議 第1回(オンライン会議) 令和3年(2021年)7月19日  代表・副代表を決め、活動テーマについて意見交換を行いました。 第2回(オンライン会議) 令和3年(2021年)10月15日  活動テーマについて意見交換を行いました。 第3回(オンライン会議) 令和4年(2022年)2月21日  第2回会議に意見聴取したメインテーマとサブテーマの一覧から、希望するメインテーマ(1つ)とサブテーマ(2つ)について、意見交換を行いました。活動テーマについて、メインテーマが「人にやさしい共生社会を目指して」サブテーマ「各障がいに配慮した情報保障」と「災害時の備えについて考える」に決定しました。 第4回(ハイブリッド会議) 令和4年(2022年)7月13日  第3回会議に各サポーターが感じている「情報保障が必要となる場面や課題」と「災害の時に困ることや、望ましい配慮、受けて助かったサポートの実体験」を集約し、まとめた資料を事前に送付。、それについて、意見交換を行いました。 第5回(ハイブリッド会議) 令和4年(2022年)10月12日  サブテーマ「各障がいに配慮した情報保障」と「災害時に備えについて考える」のそれぞれ課題整理を行ってきたが、2つのテーマについての課題が重く、1つのテーマに絞ることのご意見があり、そのことについて意見交換を行いました。2つのテーマを1つに統合させ、「行政の情報保障」というテーマに取り組むことを決定した。 第6回(ハイブリッド会議) 令和4年(2022年)12月14日  市内に住む障がいのある方への意見を聞き出すためのヒアリング方法について、意見交換を行いました。 第7回(ハイブリッド会議) 令和5年(2023年)2月15日  アンケート項目について、意見交換を行いました。 第8回(ハイブリッド会議) 令和5年(2023年)6月21日  再度アンケート項目について、意見交換を行いました。また、アンケートのスケジュールについて、意見交換を行いました。 第9回(ハイブリッド会議) 令和5年(2023年)10月11日  アンケート調査の結果について、意見交換を行いました。また、活動報告書の構成について、意見交換を行いました。 第10回(ハイブリッド会議) 令和5年(2023年)12月20日  第9回でご意見をいただいたことを踏まえ、改めてアンケート調査の結果を報告いたしました。  また、活動報告書の構成について、再度意見交換を行いました。 第11回(ハイブリッド会議) 令和6年(2024年)3月13日  第10回でご意見をいただいたことを踏まえ、改めてアンケート調査の結果を報告いたしました。 第12回(ハイブリッド会議) 令和6年(2024年)5月29日  第8期活動報告書について最終確認を行いました。また、活動の振り返りを行いました。   2 意見交換会  ●令和4年(2022年)2月21日   「札幌市公式ホームページの使い心地について」を、札幌市総務局広報課と意見交換を行いまし た。     ●令和4年(2022年)10月12日   「実際に消費者トラブルに遭ったことや困ったこと、障がいのある方を消費者トラブルから守るためにどのようなことが必要か」「普段の生活で、障がいがあることに加えて、女性であること、あるいは男性であることで生活がしにくいと感じること」を、  札幌市市民文化局消費生活課・札幌市市民文化局男女共同参画課と意見交換を行いました。 3 アンケート協力  ●令和5年(2023年)2月   札幌市総務局広報課のアンケート(ホームページの使い心地について)に協力しました。 4 活動報告  ●令和6年(2024年)6月26日    活動報告書を札幌市自立支援協議会に提出  ●令和6年(2024年)6月26日    活動報告書を札幌市に提出 活動内容 今回の活動のテーマについてサポーターで話し合いました。  サポーターのみなさんの意見から、今回の活動では     メインテーマ  「人にやさしい共生社会を目指して」 サブテーマ   「行政の情報保障」 に決めて3年間活動をしていくことにしました。 ●メインテーマ● 「人にやさしい共生社会を目指して」  このメインテーマを選ぶに至ったのは今までの「まちづくりサポーター」議論を参考にしていく中で自然とこのテーマを選択していきました。  障がい者として生活上の困難を抱える生活の中で障がいであることで人としての孤立感や疎外感を感じることなく一人として認められた存在としてこの社会と共生していくにはどうしたらいいのか考えてまいりました。 ○ サブテーマ ○ 「行政の情報保障」 私たち第8期まちづくりサポーターは「人にやさしい共生社会を目指して」を活動テーマとし、このテーマをさらに「行政の情報保障」について、障がいのある方への理解に関連する課題や解決策の意見を出し合ってきました。 わたしたちまちづくりサポーター第8期においてこのテーマについて討議を重ねていくなか、障がいと向き合って生活していくための情報の不足でした。例えば「聴覚障がい者が区役所に相談のため向かったときに手話通訳者がいついるわからない」ことや 「精神疾患により生活のお金がなく治療が困難で困ってて希望を失った」ことなど今までメンバーが経験してきたことが議論に上がりました。 「人にやさしい共生社会」に向かうべく札幌市含め多くの行政機関などからたくさん障がい者をサポートするための施策がされています。こうした施策一環は約半世紀前より整備されてきました。 しかしながら福祉や生活扶助を含めた社会保障を利用することに対し正しい情報の不足による抵抗感や情報提供の不足により福祉サービスを受ける機会の喪失など課題があります。 このようなことから私達が望む「共生社会」のためにすべての個々人が正しい情報を過不足なく持ち得ていることがとても大切な必要条件であると考えこのようなテーマにしました。 このような経緯で札幌市内にお住いの障がいのある方を対象に、行政の情報発信を多様な手法で行う必要性に関するアンケート調査を令和5年7月から8月にかけて、実施いたしまして、この結果を報告いたします。 はじめに 生活上の困難において、どういった要素が困難さの元になっているかをまとめました。 そこで居住形態/職業/障がい種別の各面でアンケートを元にまとめてみました。 1.生活上の困難について回答傾向 1-1.居住形態(一人暮らし否かなど)での生活上の困難はあるのか 居住形態別のパーセンテージ ?一人暮らし: 33.91% ?家族と同居: 62.07% ?グループホーム: 4.02% 居住別割合による比重を考慮した生活上の困難についての傾向 ?一人暮らし:不満: 5.17%・やや不満: 15.52%?やや満足: 12.64%?満足: 0.57% ?家族と同居:不満: 13.22%?やや不満: 22.41%?やや満足: 20.69%?満足: 5.75% ?グループホーム:不満: 1.15%?やや不満:1.15%?やや満足: 1.72%?満足: 0.00% 傾向 家族と同居している人々が「不満」と「やや不満」を感じている割合が他の居住形態に比べて高いことがわかります。         また、グループホームに住んでいる人々は「満足」という回答がないことが見て取れます。一人暮らしの人々は「やや満足」の割合が比較的高いですが、「満足」と答えた人は少ないことがわかります。 居住形態による生活の困難は種類によって違いはあるものの大きな違いはないと言えます。 1-2.職業と生活上の困難さについて 「3.職業」各職業別パーセンテージ ?一般就労: 26.44%  ※雇用契約を伴う就労全般 ?中間的就労: 14.37% ※雇用契約を伴わない作業所への通所またボランティアなど ?学生: 8.62% ?無職: 47.70% ?自営業: 2.87% 職業別割合による比重を考慮した生活上の困難についての傾向 ?一般就労:不満: 2.87%?やや不満: 10.92%?やや満足: 11.49%?満足: 1.15% ?中間的就労:不満: 2.87%?やや不満: 3.45%?やや満足: 6.90%?満足: 1.15% ?学生:不満: 0.57%?やや不満: 5.75%?やや満足: 1.72%?満足: 0.57% ?無職:?不満: 13.22%?やや不満: 17.82%?やや満足: 13.22%?満足: 3.45% ?自営業:不満: 0.00%?やや不満: 1.15%?やや満足: 1.72%?満足: 0.00% 傾向 無職の方が「不満」と「やや不満」を感じている割合が他の職業に比べて高いことがわかります。また、一般就労している人々は「やや満足」の割合が比較的高いことが見て取れます。 所得の多い少ないで考えると就労されている方のほうが生活上の困難は少ないと言えますが、札幌市からの情報提供のあり方について問う論点とは違うようです。 1-3.障がい種別と生活上の困難さについて 障がいの種類別割合  ※複数選択であるため、自認している障がい種をカウントしたものになります。 身体障がい:n=67 知的障がい:n=34   精神障がい:n=70 発達障がい:n=52 難病・特定疾患:n=18 通院中・不明:n=7 総計:n=248 各障がい別の生活上の困難さの回答分布 障がい種別      不満 やや不満 やや満足 満足 身体障がい      20.31 37.5  29.69   12.5 知的障がい 20.59 38.24 38.24 2.94 精神障がい 28.57 32.86 35.71 2.86 発達障がい 11.54 48.08 38.46 1.92 難病・特定疾病 38.89 33.33 16.67 11.11 通院中等の理由により不明 42.86 28.57 28.57 0 傾向 総合的に評価すると、以下のような傾向が見られます。 1.身体障がい:「やや不満」が最も高い割合を占めていますが、「やや満足」と「満足」の割合も合わせて約半数近くに達しており、生活上の困難に対して比較的バランスの取れた見方をしている人が多いです。 2.知的障がい:「やや不満」が最も高い割合を占めていますが、「やや満足」と「満足」の割合も一定程度あり、全体的にはバランスの取れた感じ方をしている人が多いです。 3.精神障がい:「やや不満」が最も高い割合を占めており、「不満」の割合も高いことから、このグループは生活上の困難に対して特に厳しい状況にあると考えられます。 4.発達障がい:「やや不満」が最も高い割合を占めていますが、「やや満足」の割合も高く、生活上の困難に対して比較的ポジティブな見方をしている人も多いです。 5.難病・特定疾患:「不満」と「やや不満」が高い割合を占めており、生活上の困難に対する不満が顕著に見られます。 6.通院中などの理由によりわからない:「不満」の割合が最も高く、全体の約半数が不満を感じていることがわかります。また、「満足」と回答した人はいないことから、このグループは生活上の困難に対して特に厳しい状況にあると考えられます。 これらの結果から、障がいの種別によって生活上の困難に対する感じ方に明確な違いがあることがわかります。特に、精神障がいや通院中などの理由で障がいの種別が不明な人々は生活上の困難に対して高い不満を抱えていることが示されています。一方で、身体障がいや知的障がい、発達障がいを持つ人々は比較的バランスの取れた見方をしている傾向があります。 生活上の困難からみたまとめ 生活上の困難さを感じる度合いは居住や職業によって影響を受けるよりも当事者が抱える障がいの種別によって、大きく差異が出ることがここまでわかりました。 以上の点から次の項目では障がい別にどういった札幌市から情報提供がほしいのか提示していきたいと思います。 2.障がい者と札幌市による情報提供ニーズの傾向 2-1障がい種別の情報提供へのニーズ傾向 アンケートの質問において障がい別に札幌市から情報提供を優先してほしい項目を第一優先から第三優先まで傾向をまとめました。各々の表において、注目してほしい箇所についてオレンジ色で着色しています。項目1-3でまとめた傾向と合わせてまとめています。 ○身体障がい 第一優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    13.43%              17.91%              19.40%               5.97%                 56.72% 基本必要  10.45%              8.96%               11.94%               4.48%                 35.82% 原則不要  2.99%              0%                2.99%                0%                  5.97% 不要    0%               0%                1.49%               0%                  1.49% 総計    26.87%             26.87%              35.82%               10.45%                100.00% 第二優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    19.40%              14.93%              11.94%               10.45%                56.72% 基本必要  8.96%              16.42%              5.97%                4.48%                 35.82% 原則不要  0%               4.48%              0%                1.49%                5.97% 不要    1.49%              0%                0%                0%                  1.49% 総計    29.85%             35.82%              17.91%               16.42%                100.00% 第三優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    7.46%              19.40%              11.94%               8.96%                 47.76% 基本必要  5.97%              5.97%               13.43%               17.91%                43.28% 原則不要  0%               4.48%              0%                4.48%                8.96% 不要    0%              0%                0%                0%                  0% 総計    13.43%             29.85%              25.37%               31.34%                100.00% 傾向 身体障がいによる障害特性から鑑みるとニーズとして「生活での困りごとを関する福祉情報」が割合が多いように思うが、実際はそうではなく。札幌市からほしい情報提供として「医療/福祉の利用に関わる支援情報」 「就労や家計へのサポートに関する情報」を望む傾向が高い。これは医療/福祉のサポートを受けながら家計や就労といった経済的事柄とのバランスについてニーズが高いように思われる傾向である。 ◯知的障がい 第一優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    35.29%              20.59%              8.82%                8.82%                 73.53% 基本必要  5.88%              2.94%               11.76%               0%                 20.59% 原則不要  2.94%              0%                0%                0%                  2.94% 不要    0%               2.94%              0%                0%                  2.94% 総計    44.12%             26.47%              20.59%               8.82%                100.00% 第二優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    14.71%              20.59%              17.65%               14.71%                67.65% 基本必要  2.94%              17.65%              8.82%                2.94%                 32.35% 原則不要  0%               0%               0%                0%                 0% 総計    17.65%             38.24%              26.47%               17.65%                100.00% 第三優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    8.82%              17.65%              11.76%               5.88%                 44.12% 基本必要  8.82%              11.76%              14.71%               8.82%                 44.12% 原則不要  0%               5.88%              0%                0%                 5.88% 不要    0%              2.94%              0%                2.94%                5.88% 総計    17.65%             38.24%              26.47%               17.65%                100.00% 傾向 「医療/福祉の利用に関わる支援情報」「生活での困りごとを関する福祉情報」ともに大変ニーズが高い。前の項目の「生活上の困難」に対する不満である割合が比較高いことも踏まえ考えると、 通院/通所と自立した生活への課題といった日常においての困難さが浮き彫りになった傾向になったと思われる。普段の生活において困りごとはあるが、どう解決していいのか情報が不足している可能性がある。 ○精神障がい 第一優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    8.57%              18.57%              40.00%               11.43%                78.57% 基本必要  7.14%              5.71%               8.57%                0%                 21.43% 原則不要  0%               0%                0%                0%                  0% 不要    0%               0%                0%                0%                  0% 総計    15.71%             24.29%              48.57%               11.43%                100.00% 第二優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    18.57%              15.71%              22.86%               21.43%                78.57% 基本必要  2.86%              5.71%               2.86%                10.00%                21.43% 原則不要  0%               0%               0%                0%                 0% 不要    0%              0%                0%                0%                  0% 総計    21.43%             21.43%              25.71%               31.43%                100.00% 第三優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    20.00%             17.14%              7.14%                10.00%                54.29% 基本必要  11.43%              10.00%              7.14%                5.71%                 34.29% 原則不要  1.43%              1.43%              1.43%                1.43%                5.71% 不要    1.43%              4.29%              0%                0%                 5.71% 総計    34.29%             32.86%              15.71%               17.14%                100.00% 傾向 「就労や家計へのサポートに関する情報」「役所や年金など公的手続きに関する情報」に関するニーズが大変高い。精神障がい当事者の生活上の困難に対する不満の割合が大変高いのは、前項での傾向が確かであった。 それを踏まえ、精神障がい当事者は、生活困窮や経済的不安を就労による経済的安定または社会保障による公的扶助受けつつ、そうした問題解決しながら通院などで治療をしたい傾向が有るように思われる。 自立した生活に向けての生活再建と継続的治療の両立が困難であるかをうかがえる傾向である。 ○発達障がい 第一優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    13.46%              23.08%              30.77%               5.77%                 73.08% 基本必要  9.62%              3.85%               9.62%                0%                 23.08% 原則不要  1.92%              0%                0%                1.92%                3.85% 不要    0%               0%                0%                0%                  0% 総計    25.00%             26.29%              40.38%               7.69%                100.00% 第二優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    13.46%              23.08%              15.38%               11.54%                63.46% 基本必要  3.85%              9.62%               11.54%               9.62%                 34.62% 原則不要  0%               1.92%              0%                0%                 1.92% 総計    17.31%             34.62%              26.92%               21.15%                100.00% 第三優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    11.54%             9.62%               1.92%                0%                 23.08% 基本必要  9.62%              5.77%               7.69%                5.77%                 28.85% 原則不要  5.77%              7.69%              0%                0                 13.46% 不要    19.23%             13.46%              1.92%               0%                 34.62% 総計    46.16%             36.54%              11.53%               5.77%                100.00% 傾向 「就労や家計へのサポートに関する情報」に対するニーズが大変高い。ついで「生活での困りごとを関する福祉情報」が高い。傾向として知的障がい当事者と精神障がい当事者との傾向をミックスした傾向と思われる。 発達障がいの障害特性から見ても、このような傾向は合致している思われる。発達障がい当事者は就労機会の困難さなどから経済的不安抱えつつ、生きづらさを解決する情報が不足している可能性があると思われる。 ○難病・特定疾患 第一優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    33.33%              16.67%              22.22%               5.56%                 77.78% 基本必要  11.11%              0%               5.56%                0%                 16.67% 原則不要  0%                0%                0%                0%                 0% 不要    0%               0%                5.56%               0%                  5.56% 総計    44.44%             16.67%              33.33%               5.56%                100.00% 第二優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    44.44%              5.56%               0%                27.78%                77.78% 基本必要  5.56%              5.56%               0%                11.11%                22.22% 原則不要  0%               0%               0%                0%                 0% 総計    50.00%             11.11%              0%               38.89%                100.00% 第三優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    5.56%             44.44%              0%                 11.11%                61.11% 基本必要  0%              16.67%              11.11%               5.56%                 33.33% 原則不要  0%               0%               0%                5.56%                 5.56% 不要    0%              0%              0%                 0%                 0% 総計    5.56%              61.11%              11.11%               22.22%                100.00% 傾向 「医療/福祉の利用に関わる支援情報」が大変高い。生活上の困難や課題を解決する上で公的機関での手続きによって、福祉サービスを受け取るための情報に対するニーズが大変高い傾向と思われる。 また前項において難病・特定疾患当事者の生活上の困難に対する不満度合いが大変高い。それも踏まえると、各々の難病・疾患の特性に合致した支援やサービスについての情報が明らかに不足している可能性が高い傾向である。緊急を要する可能性が高い。 ○通院中・不明 第一優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    14.29%              28.57%              28.57%               14.29%                85.71% 基本必要  14.29%              0%               0%                  0%                 14.29% 原則不要  0%                0%                0%                0%                 0% 不要    0%               0%                0%                0%                  0% 総計    28.57%             28.57%              28.57%               14.29%                100.00% 第二優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    14.29%              28.57%              14.29%               0%                 57.14% 基本必要  14.29%              0%               14.29%               14.29%                42.86% 原則不要  0%               0%               0%                0%                 0% 総計    28.57%             28.57%              28.57%               14.29%                100.00% 第三優先  提供希望の情報 必要度合い 医療/福祉の利用に関わる支援情報 生活での困りごとに関する福祉情報 就労や家計へのサポートに関する情報 役所や年金など公的手続きに関する情報 総計 必要    14.29%             14.29%              0%                 0%                 28.57% 基本必要  0%              0%               42.86%               0%                 42.86% 原則不要  14.29%              14.29%              0%                0%                 28.57% 不要    0%              0%              0%                 0%                 0% 総計    28.57%             28.57%              42.86%               0%                100.00% 傾向 アンケートとして回答された方が、大変少なく傾向をまとめるのが困難であるとした上でまとめると「生活での困りごとを関する福祉情報」「就労や家計へのサポートに関する情報」が高く通院中であること鑑みると 精神障がい当事者同様な困難を抱えている可能性が高く支援/扶助を受けることについて、潜在的に情報が不足している可能性がある。 2-2情報提供へニーズ傾向への評価 障がい種別に傾向をまとめてそれを踏まえて、下記内容でまとめます。 生活上の困難を多く抱え、大変低い満足度を強いられる障がい種別「精神障がい」「難病・特定疾患」の方々は、その困難さを解決するための札幌市からの情報提供も社会的なケアも不足している可能性が非常高いことが今回のアンケートの傾向でわかりました。 特に「難病・特定疾患」当事者に関しては札幌市による情報提供が不足しており緊急を要することが傾向として判明しました。それ以外では、全体を通して「医療/福祉の利用に関わる支援情報」が札幌市による情報提供のニーズが高水準である傾向がわかりました。 「精神障がい」「難病・特定疾患」をお持ちの方への札幌市から情報保障(提供)が高い水準で不足している可能性を指摘しつつ、生活上の困難を抱えてる状況に置かれているのではないかと推測します。 ☆アンケート結果全体を通しての結論☆ 居住別/就業形態別/障がい種別の3つの観点で今回実施したアンケートまとめました。居住別や就業形態別から生活上の困難さについてあまり関係がないもしくは論じるには論拠が乏しいアンケート結果でした。 障がい種別から生活上の困難を考えることについてはその種類によって大きな差異がある結果でした。障がい種別によっては札幌市からの情報提供が大変不足している可能性が指摘できたかとおもいます。 また札幌市からの情報提供ニーズが大変高い障がい種別である「難病・特定疾患」「精神障がい」の方々は生活上の困難・不満を大変抱えている状況もわかったように考えます。 障がい特性上、どんな障がいを持っているかは個々人それぞれ事情や経緯があったものと思われます。しかし、たまたま持った障がい種類によって大きく生活困難の度合いについて格段の差異が生じている状況があるようです。 その状況とともにからめて札幌市から情報提供についても同時に不足をしているのが現状のようです。 言い換えれば、障がい種別によって情報提供のされた方に差異が生じている為、大きく将来に対する「生活の先行き」や「人生の見通し」について格段の差が生じているよう思われます。障がい種別によって障がい者が得られる札幌市からの情報提供には、 大きな格差がある可能性が大変高いと考えられます。 以上のことから私たちまちづくりサポーターは障がいの各種別に対して、平等な行政サービス水準を満たしているとは言えないと考えます。このことから札幌市の情報保障が行政から提供する内容として最低限度の水準以上に達しているとは言えないと考えます。 第8期まちづくりサポーターが考える「人にやさしい共生社会」にとって必要なこと 今回のアンケートをインターネット中心に実施しました。その意図として「人にやさしい共生社会」実現のための札幌市における情報保障が欠如している可能性を指摘できました。 どんな人も正しい情報を持ち合わせていないと先のことが考えられず不安になったり困難な状況が取り囲まれて先に進めなくなるものです。 そうしたことにたいして今後札幌市の施策の一環として個々の障がい事情にマッチしたプッシュ型の情報提供を模索してほしいと考えます。またそうしたプッシュ型の情報提供の仕方により障がいのない方も障がいに関わる情報に触れてもらうことで 「支援する側」になることも可能です。障がいある人もそうではない人も互いに情報を共有することが大事であると考えます。障がい者だけでなく広い意味でこの「社会」にいきる人すべてが支え合う「共生社会」にとって「情報保障」が これからの大事な施策の一環になることを望んでます。 おわりに 私たち第8期まちづくりサポーターは、2021年から3年間活動して参りました。その3年間の中で私達障がい者にとって社会参加においてどういったことが「バリアフリー」の妨げになっているか議論してきました。 議論を重ねる中でメインテーマ「人にやさしい共生社会を目指して」について議論してまいりました。 そうした議論のなかでまちづくりサポーターに選ばれたメンバーも障がい者への様々な施策に対して十分な理解が及んでいないという状況がわかったことでした。自分の障がいについては詳しくてもほかの障がいに対して無理解・無関心であってはならないと 思います。同様に札幌市民一人ひとりが困難な状況にある人や障がい者への無理解・無関心もあってならないと思います。 共生社会を実現するためにはそうした無関心や理解が及ばないことを解消しなければならないと考えます。それには「正確」で個々人にあった「適確」な情報提供がなければ、実現し得ないということを今回の長い議論を通して実感しました。 わたしたちはそうした経緯よりアンケート調査を行い情報の欠如と生活上の困難が大きく関係づけられた結論を導きだしました。 今後「まちづくりサポーター第8期」メンバーが考え議論しまとめたこの報告書が札幌市における「人にやさしい共生社会」実現の一助になるよう心より願ってやみません。 ここまで議論を支えてくださった「まちづくりサポーター第8期」メンバー全員と事務局してくださった札幌市への深い感謝の意を携え報告といたします。 第8期札幌市障がい者によるまちづくりサポーター副代表 大江 達夫 第8期障がい者によるまちづくりサポーター名簿 氏名・障がい種別 岩垣 智美・難病 ○大江 達夫・精神障がい 鹿庭 義仁・身体障がい(肢体) 金原 浩之・身体障がい(聴覚) 木村 裕明・身体障がい(内部) 小林 睦男・身体障がい(肢体)・難病 ○広島 雅美・発達障がい 堀 楓香・身体障がい(肢体) 松田 靖子・知的障がい 松本 小百合・身体障がい(肢体) ◎山田 英雄・身体障がい(視覚) 50音順 ◎は代表、○は副代表をそれぞれ表します。 任期:令和3年6月1日から令和6年5月31日