細菌性食中毒
⇒札幌市内における発生状況はこちら「病因物質別食中毒発生件数の推移」

- 近年、食中毒発生件数でナンバー1の食中毒菌で、鶏肉などの食肉を生又は加熱不十分のまま食べたことによる食中毒が全国的に多発し、問題となっています。
- 鶏・牛・豚などの家畜や、犬・猫などさまざまな動物の腸管内にいる菌で、比較的少量の菌でも発症し、発症するまでの時間が1~7日と長いのが特徴です。
主な原因食品 |
鳥肉などの肉類
(鳥の刺身、牛レバ刺し、ユッケ、加熱不十分な焼肉など) |
主な症状 |
下痢、腹痛(へその周り)、発熱(37~40℃)/発症するまでの時間:1~7日
- 小児では2~4日間、便に血が混じることもあります。
- まれに、感染してから数週間後に、手足のしびれや顔面まひ、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。
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特徴 |
- 感染力が強く、わずかな菌数で発症します。
- 熱に弱く、75℃以上1分間以上の加熱で死滅します。
- 乾燥に弱いですが、湿っていれば10℃以下の低温や凍結状態でも長期間生存します。
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予防方法 |
- 生肉を食べないようにしましょう。
※鳥の刺身など、飲食店で提供しているメニューでも、生肉は食中毒の原因となることがあります。市内で食中毒を起こした飲食店では、いずれも「生食用」ではなく「加熱用」の肉を生で提供していました。
- 肉料理は中心部までよく加熱しましょう(中心部の温度75℃以上1分間以上の加熱が目安です。湯通し程度では菌は死滅しません。)。
特に結着肉(食肉の断片を結着させ成型した加工肉)を使用する際は、必ず中心部までしっかり火を通してください。
- 生肉を扱う調理器具は専用とし、使用後は洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒しましょう。
⇒調理器具などの消毒のしかた(PDF:113KB)
- 焼肉やすき焼きなどは、生肉の取り箸と食べる箸を使い分けましょう。
- 生肉を扱った後は、その都度手をよく洗いましょう。
⇒基本は「手洗い!」
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- サルモネラは、鶏や豚、牛などの動物の腸管内や河川、下水など自然界に広く分布しています。
- 卵料理を原因とするサルモネラ食中毒が多く発生しています。
主な原因食品 |
鶏卵、食肉、うなぎなど
(カツ丼、オムレツ、ケーキ、プリン、牛肉のたたき、うなぎなど) |
主な症状 |
下痢、腹痛、おう吐、発熱(38~40℃)/発症するまでの時間:5~72時間
高齢者や子どもは重症化することもあります。
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特徴 |
熱に弱く、75℃以上1分間以上の加熱で死滅します。 |
予防方法 |
- 卵の取り扱いに注意しましょう。
- 卵は清潔で、ひび割れのない新鮮なものを購入しましょう。
- 卵は冷蔵庫で保存し、新鮮なうちに使用しましょう。
- 卵は食べたり、調理したりする直前に割り、絶対に割り置きはしないでください。
- 殻にひび割れのある卵は、生で食べないようにしましょう。
- 加熱調理をしない自家製マヨネーズなどを作る場合は、殻にひび割れのある卵は使用せず、作ったらすぐ使い切りましょう。
- 加熱調理を行った卵料理についても、なるべく早く食べましょう。
- 生肉は低温で管理し、調理のときは十分加熱しましょう。
- 卵や生肉を扱った調理器具は、洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒しましょう。
⇒調理器具などの消毒のしかた(PDF:113KB)
- 卵や生肉を扱った後は、その都度手をよく洗いましょう。
⇒基本は「手洗い!」
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- 海水や海底の泥の中にいる細菌で、刺身などの生の魚介類が腸炎ビブリオ食中毒の主な原因食品となっています。
- この菌は、海水温が高くなると海水中で大量に増殖するため、気温の高くなる夏場は特に魚介類の取扱いに注意しましょう。
主な原因食品 |
生の魚介類(刺身、寿司、魚介加工品など)
魚介類を扱った調理器具や手指を介して二次汚染された、塩分濃度の高い食品が食中毒の原因となることがあります。
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主な症状 |
腹痛、下痢、発熱、おう吐/発症するまでの時間:10~24時間(まれに2~3時間) |
特徴 |
- 塩分を好み、真水では生きられません。
- 20℃を超えると盛んに増殖し、そのスピードは他の食中毒菌より速いのが特徴です。
- 熱に弱く、60℃以上10分間以上の加熱で死滅します。
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予防方法 |
- 魚介類は、真水(水道水)で丁寧に洗いましょう。
- 魚介類は、室温に放置せず、短時間でも冷蔵・冷凍で保管しましょう。(4℃以下を徹底)
- 加熱調理をする場合は、中心部まで十分に加熱しましょう。
- 調理後は、できるだけ早く食べましょう。
夏に魚介類を生で食べるときは、特に注意し、食べる直前まで冷蔵庫で保存しましょう。
- 魚介類を扱う調理器具は専用とし、使用後は洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒しましょう。
⇒調理器具などの消毒のしかた(PDF:113KB)
- 魚介類を扱った後は、その都度手をよく洗いましょう。
⇒基本は「手洗い!」
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- 腸管出血性大腸菌は、牛などの動物の腸管にいる菌で、主な原因食品は、牛肉や牛レバーなどの生食や加熱不十分な肉類です。また、食肉等から二次汚染により、あらゆる食品が原因となる可能性があります。
- 札幌市内では、平成21年に牛レバ刺しを原因食品(推定)とする食中毒が1件発生しています。
- 平成24年8月には、浅漬を原因食品とする患者169名の食中毒が発生しています。
主な原因食品 |
牛などの肉類
食肉や家畜の糞便等によるニ次汚染により、野菜や果物を含むあらゆる食品が原因となる可能性があります。
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主な症状 |
激しい腹痛、水様性下痢、血便/発症するまでの時間:3~5日(10日以上の場合もあり)
重症の場合、菌が産生するベロ毒素により、溶血性尿毒症症候群を引き起こし死に至ることもあります。
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特徴 |
- 感染力が極めて強く、わずかな菌数で発症します。
- 熱に弱く、75℃以上1分間以上の加熱で死滅します(冷蔵・冷凍では死滅しません。)。
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予防方法 |
- ハンバーグ、肉団子などの挽肉料理は中心部まで十分に加熱しましょう。(中心部が75℃以上1分間以上が目安です。)
結着肉(食肉の断片を結着させ成型した加工肉)を使用する際も、必ず中心部までしっかり火を通してください。
- 生肉を扱った後は、その都度手をよく洗いましょう。
⇒基本は「手洗い!」
- 生肉を扱う調理器具は専用とし、使用後は洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒しましょう。
⇒調理器具などの消毒のしかた(PDF:113KB)(PDF:113KB)
- 特に、乳幼児や高齢者は重症化しやすいので、生肉や加熱不十分な肉を食べさせないようにしましょう。
- 発症した患者のいる家庭では、糞便に汚染された衣類等の取扱いに注意しましょう。
- 生野菜を食べるときや、浅漬けをつくる時は、野菜を十分に洗いましょう。
⇒生野菜や浅漬けを安全に食べるためのポイント
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- ウェルシュ菌は、人や動物の腸管内、土壌、水中など、自然界に広く存在しています。
- この菌による食中毒は学校などの給食施設で起きることが多く、カレーやスープなど、食べる日の前日に一度に大量に加熱調理し、大きな器のまま室温で長時間放置したことが原因で起きた事例が多く発生しています。
主な原因食品 |
大量に加熱調理された煮込み料理(カレー、シチュー、スープ、めんつゆなど) |
主な症状 |
腹痛、下腹部の膨満、下痢/発症するまでの時間:6~18時間 |
特徴 |
- 熱に強い芽胞(殻のようなもの)を作るため、100℃で4時間加熱しても菌は死滅しません。
- 酸素が無い状態で生育します。
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予防方法 |
- 「加熱済みの食品は安心」という間違った常識を捨てましょう。
- 前日調理は避け、調理後はできるだけ早く食べましょう。
- 調理済み食品の室温放置はやめましょう。
- 調理済み食品を保存する場合は、小さな容器に小分けして、急速に冷やしてから冷蔵庫で保管しましょう。
- 再加熱する場合は、十分に熱を通しましょう。
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- セレウス菌は、土壌・水・ほこりなど自然環境に広く分布しています。
- この菌による食中毒は、毒素の違いにより「おう吐型」と「下痢型」の2つのタイプに分類されますが、「おう吐型」の食中毒が多く発生しており、米飯類や麺類が原因食品となることが多いのが特徴です。
主な原因食品 |
【おう吐型】米飯、チャーハン、ピラフ、スパゲッティー、焼きそばなど
【下痢型】食肉製品、スープ、弁当、プリンなど |
主な症状 |
【おう吐型】おう吐、吐き気/発症するまでの時間:1~5時間
【下痢型】下痢、腹痛/発症するまでの時間:8~16時間 |
特徴 |
- 熱に強い芽胞(殻のようなもの)を作るため、100℃で40分間加熱しても菌は死滅しません。
- 増殖する至適温度は28~35℃です。
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予防方法 |
- 米飯類や麺類などの大量調理は行わないようにしましょう。
- 調理済み食品は室温に放置せず、できるだけ早く食べましょう。
- 調理済み食品を保存する場合は、小さな容器に小分けして、急速に冷やしてから冷蔵庫で保管しましょう。
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- この細菌は自然界に広く存在しており、健康な人でも2~3割は鼻やのど、髪の毛などにこの菌を持っています。
- やけどや傷など化膿したところに大量に存在しており、手に傷などのある調理人からの汚染が原因の食中毒が多く起きています。
- 札幌市内では近年、平成28年には豆大福、平成29年にはかき氷、おにぎり弁当を原因食品とする食中毒が発生しています。
主な原因食品 |
手指からの汚染を受けやすい食品(おにぎり、生寿司、折り詰弁当、シュークリームなど) |
主な症状 |
激しい吐き気・おう吐、腹痛、下痢/発症するまでの時間:1~5時間(平均3時間) |
特徴 |
- 菌自体は熱に弱いですが、この菌が作る毒素は100℃30分間の加熱でも無毒化されません。
- 酸素のない状態でも増殖可能で、多少塩分があっても毒素をつくります。
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予防方法 |
- 手に傷がある人やのどに炎症のある人は調理をしないようにしましょう。
- 調理中、手はこまめに洗い、常に清潔に保ちましょう。
⇒基本は「手洗い!」
- 弁当やおにぎりは冷ましてから包装し、クーラーボックスに入れるなど温度管理に気をつけましょう。
- 調理後は、速やかに食べましょう。
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- 最も死亡率の高い毒素型食中毒で、札幌市内では、昭和63年に1件起きています。
- ボツリヌス菌は、土、海、湖の砂泥中などに存在し、熱に強い芽胞を形成します。
- 乳児については、「乳児ボツリヌス症」(主にはちみつの摂取による疾病)にも注意が必要です。
主な原因食品 |
缶詰、ビン詰、真空パック食品、いずしなど(密封された食品、空気に触れない食品) |
主な症状 |
胃腸炎の発症後、脱力感、めまい/発症するまでの時間:8~36時間
症状が進むと、瞳孔散大など様々な眼の症状、物が飲み込めない、声が出ないなどの症状となり、重症になると呼吸困難で死亡することもあります。
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特徴 |
- 空気が無い状態で生育し、毒素を産生します。
- 毒素は、80℃で30分間又は100℃で10分間の加熱により無毒化しますが、菌体内に熱に強い芽胞(殻のようなもの)をつくります。芽胞は、120℃4分間又は100℃6時間以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。
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予防方法 |
- 野菜や魚介類などの原材料は新鮮なもの選び、十分に洗浄してから使いましょう。
- 真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭(バターが腐ったような酪酸臭)があるときには絶対に食べないでください。
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乳児ボツリヌス症
乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の乳児にみられるボツリヌス症のことです。
平成29年には、東京都で、はちみつを原因とする乳児ボツリヌス症による5ヶ月の乳児の死亡事故が発生しました。
主な原因食品 |
はちみつ、土つきの野菜など |
主な症状 |
便秘、筋力の低下、哺乳力の低下など |
特徴 |
乳児の腸管の免疫が未発達のため、ボツリヌス菌の芽胞が腸管内で発芽・増殖してしまい、毒素を産生することで起こります。
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予防方法 |
- 1才未満の乳児にはちみつを与えないでください。
- 土つきの野菜はしっかり水洗いしましょう。
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相談窓口
食中毒については、札幌市保健所食の安全推進課、広域食品監視センター又は各区保健センター健康・子ども課にご相談ください。

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