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更新日:2025年3月18日

チンパンジー

チンパンジー

*サル目
PRIMATES
*ヒト科

Hominidae

*英名

Chimpanzee
*学名
Pan troglodytes

 

分布 セネガルからコンゴ民主共和国、ウガンダ、ルワンダ、タンザニアに分布し、生息環境は多様でサバンナや雑木林等のほか、標高2,700m程の高地の森林に生息している。
特徴

ヒガシチンパンジー、チュウオウチンパンジー、ナイジェリアチンパンジー、ニシチンパンジーの4亜種がいる。性皮はピンク色で、発情した雌は大きく膨らむ。昼行性で樹上および地上で生活しており、地上では前肢の指関節外側を接地して四足歩行(ナックルウォーク)する。夜間になると樹上で寝床を作って休む。聴覚・視覚に優れ、色覚もある。蟻塚に棒を差込んでシロアリを捕食する、石や倒木を使って堅い果実の殻を割る、木の葉を使って樹洞に溜まった水を飲む、木の葉を噛みちぎる音を使って求愛する等様々な用途で道具を使う。これらの道具および行動には地域変異があり、文化的行動と考えられている。複数の雄、雌からなる20~100頭程の群れを形成して生活するが、普段は主に母子関係や雄同士の同盟を元に構成される小さい集団に分かれて行動する。雄、雌ともに複数の異性と交尾する。群れの個体間には順位差があり、とくに雄では順位を巡って争いが起こる。妊娠期間は約230日で、一度に1子を産む。子どもは生後2~3日頃から独力で母親の腹にしがみつくようになり、約4か月で四足歩行でヨチヨチ歩き、5~7か月後には母親の背中に上るようになり、7~8か月から果物を食べ始め、鉄棒にぶら下がったり、年上の子どもらと同等に遊びをしたりするようになる。雄は生まれた群れに留まる傾向が強いが、性成熟した雌は生まれた群れを離れて別の群れに移籍することが多い。雌が出自群を出ることによって近親交配の回避をしていると考えられている。チンパンジーは人間に近いため動物実験によく用いられ、ポリオやB型肝炎、C型肝炎のワクチン開発等に利用された。20世紀の終わりごろから動物実験を廃止する動きが起こり、21世紀になると動物実験用のチンパンジーの飼育頭数は徐々に減っていった。動物実験から引退したチンパンジーは野生復帰が難しいため、人為的な保護区で余生を送っている。

食性

雑食で、主に果実を食べるほか、種子、花、葉、樹皮、蜂蜜、昆虫、イノシシ類、サル類、リス類等の小型から中型哺乳類等、200~300種類の食べ物を食べている。集団で協力して狩猟することもある。母子間では食物分配がよく見られる。

寿命 野生 約30年/飼育下 約40~50年
減少の理由

森林伐採や開発による生息地の破壊、食糧やペットにするための密猟、内戦による混乱等により生息数が減少。エボラ出血熱、急性灰白髄炎や呼吸器系の疾患等によっても生息数が減少している。生息地ではチンパンジーの保護も行われ、人為的な保護区(保護施設)が作られている。

その他 レッドリスト:EN(IUCN2016) CITES:付属書Ⅰ

●チンパンジー館の住人たち

ガチャ(メス):1966年(推定)にアフリカで生まれました。1970年に円山動物園に来ました。もう"おばあちゃん"で、最近は顔中しわだらけ、あごのひげも白くなってきました。

チャコ(メス):1980年に円山動物園で生まれました。お父さんは先代のオス(ケンチ)、お母さんは今も元気な"ガチャ"です。ひょうきん者で、とても人間っぽい仕草をみせます。

ジェーン(メス):1979年(推定)にアフリカで生まれました。1984年に円山動物園に来ました。群れの中で一番"サル顔"をしています。顔の色も真っ黒です。

スージー(メス):1981年(推定)にアフリカで生まれました。1984年に円山動物園に来ました。一番人なつっこいです。

テス(メス):2005年9月に円山動物園でトニーとジェーンの間に生まれました。

レディ(メス):2006年2月生まれたトニーとエリサの子です。母エリサを事故で亡くしたため、飼育係が親代わりとなって育てました。

ハル(メス):2008年3月、ガチャが推定42歳(人間でいうと70歳以上に相当)の高齢で産んだ子です。父親はトニー。

アッキー(オス):2008年10月、チャコとトニーの間に生まれました。

コユキ(メス):2011年11月18日、ジェーンとトニーの間に生まれました。

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