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新中学生になった皆さん、皆さんの生活は入学でどう変わったでしょうか?
私が中学生になったときには、部屋が2階の1人部屋になり、授業に英語が加わり、通学はランドセルから学生カバンに換わり、学生服を着るようになりました。
当時、学生服を買うと小型の携帯ラジオが付録でついてきました。その時は不思議に思いませんでしたが、どうしてラジオがついてきたのでしょうね。このラジオが、私の生活が大きく変えたのです、世界が広がったのです。
小学校と違い予習・復習が大事だと先生から言われていたので机に向かうようにしていましたが、やはりすぐラジオをつけてしまいます。
私の家ではテレビは午後9時までと決められていました。でも、「勉強する」と自分の部屋に上がれば新しいことをたくさん教えてくれるラジオという友だちが待っていてくれました。
携帯ラジオはAМ放送しか入りませんでしたので、NBC長崎放送局が中心でしたが、ダイヤルを回すとより電波の強いAFN(在日米軍向けラジオ局で旧FNC)、KBC九州朝日放送、RKB毎日放送を聞くことができました。音質は決して良くありませんでしたが、いろいろな音楽を聞きました。
高校生になると今度は、1967年から始まっていた深夜放送『オールナイトニッポン』が大学受験中の自分にとっての友となりました。インターネットで調べたら今も続く長寿番組だそうですね。この深夜放送を聞くために夕食後すぐに寝て開始時間に起きて聞くという毎日でした。学校へ行くとクラスのみんなも眠そうな顔をしており、前夜のオールナイトニッポンの番組の内容が会話の中心であったことをよく覚えています。
多感な中学・高校生たちには深夜ラジオからの独特の文化(世界)は、何とも言えない解放区だったのです。個性的なパーソナリティーが未知なる世界のとびらを開いてくれるように思いました。
あの時代は、私の心の宝物です。
今は、インターネット・ラジオ・ステレオ等で雑音なくクリアな音質で音楽が聞ける良い時代です。リアルタイムに外国のあらゆる地域の音楽も楽しめる環境になりました。あまりに安易すぎて、簡単すぎて、心に残るのだろうかと思ってしまいます。
テレビやインターネットという多くの情報満載のメディアがある中でも、あの3.11東日本大震災では携帯ラジオの音楽や声が救いで、いやしになったと聞きました。
人間の耳にとって心地よいものとは、心安らかに聞ける音楽とは、何でしょうか。
ラジオの利点は耳だけを向けていれば良いことです。勉強や家事・単純作業では音楽を聞きながらの行動は効率・集中力が上がるという効果もあるようですね。
私にとっては勉強部屋で聞いた学生服の付録でついてきた鉱石ラジオから聞こえる音が一番良いのかもしれません。今も中高生の時に聞いたヒットソングや映画音楽が流れてくると、情景(風景)、家族・友だちとの思い出が浮かび、心が満たされます。
思い出と共によみがえる音楽があって幸せで、良かったと思います。あなたにも、そんな時がいつか、きっと来るはずです。
何か夢中になると人生が輝くと言います。あなたも何か見つけてほしいと思います。
令和3年6月1日
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