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日章中学校3年 細川優菜
「将来、何になりたいのだろうか?」
「進路希望調査」というプリントを見つめて自問自答を繰り返す。プリントには希望する高校名を書き込めばよいのですが、進むべき道がはっきり決まっていない私は、何も書くことができないのでした。
幼い頃、「大きくなったら、何になりたいの?」と聞かれ、幼稚園の時は、「お花屋さんになりたい!」、小学校の低学年では、「パティシエになりたい!」と答えていたと思います。もちろん、「お花屋さん」も「パティシエ」も立派な職業ですが、その仕事内容もよく知らず、友人の間で人気のあった職業だったから私もそう答えていたように思います。
大きくなるにつれて、「将来の夢は何ですか?」と聞かれ、はっきり答えられなくなった私は、この質問をされるのが嫌でした。夢について語り合う友人たちの姿に、不安や焦りを感じることもありました。そして私は、「将来の夢もないのに、なんで勉強しているのだろう。」とネガティブになることもありました。
では、将来の夢とは何でしょうか。私は、職業で成功することと考えていました。例えば、一流のスポーツ選手になること、有名なYouTuberになること、社長のような収入の高い職業に就くことなど華やかなイメージを思い浮かべていました。
私は収入の安定した職業に就き、安泰に暮らしたいというのは、あまりに平凡でありきたりで、夢とは言えないと思っていました。
将来の夢について考えるきっかけの一つに、昨年1月、東京で行われた「全国いじめ問題子供サミット」に参加したことがあります。全国の小中学生といじめのない、笑顔があふれる学校にするにはどうしたらよいか、意見を交換しました。いろいろな人たちと話して、たくさんの刺激と影響を受け、大袈裟ですが、「人に優しくする、人の役に立つ」ということを人生で大切にしていきたいと痛感し、これが自分の進むべき方向性ではないかと考えるようになりました。
そして、半年が経ち、進路であれこれ考えている中、偶然、私の3歳頃の動画を見ることがありました。その動画には、「大きくなったら何をしたいの?」と母に聞かれ、もうすぐ生まれてくる妹に対し、「いっぱい優しくしてあげたい!たくさん遊んであげたい!」と話す私の姿がありました。私はハッとしました。「夢は遠い未来のことでなくても良いんだ。夢は必ずしも大きな目標、将来の職業でなくても良いんだ。具体的なものでなくても良いんだ。」と気づきました。幼い私には、「人に優しくする、人の役に立ちたい」という思いがあったのです。これが、自分の根っこ、資質ではないかと思いました。
そして、夢の捉え方を考え、夢とは何か、辞書で引いてみました。その中に、「将来的に何を達成したいのかという明確なゴール」と書いてあるのを見つけました。それは、私の思っていたことと同じで、まさに腑に落ちた感じがしました。
「人に優しくする、人の役に立ちたい」という思いが、私の人生の「目的」であり、人生の「ゴール」、私の「夢」に当たります。この目的は抽象的ですが、目的を達成するために、いろいろな方法が考えられます。例えば、人の役に立つ職業につくことです。ほとんどの職業も人の役に立っています。職業以外でも、ボランティア活動をすることでもこの目的は達成できると思います。身近な人のお世話をすることも人の役に立つことに変わりありません。
目的を達成するための手段は、いろいろとあり、次々に変わったり、今はなくても将来持てれば良いと思います。これからは、「人生100年時代」と言われています。また、人工知能AIが台頭し、職業も変化する世の中になると考えられます。15歳の私は、マラソンで言えば、スタート地点にも立っていない段階かもしれません。そのため、今は、準備体操をしっかりして、心と体づくりに励み、柔軟な考え方を身につけたいと思います。
人の数だけ、その人なりの「夢の形」があるのです。「収入の安定した職業に就き、安泰に暮らしたい」ということが人生の「目的」があれば、「夢」のある人生と言えるのではないでしょうか。
夢は、人生を豊かにするための大切な鍵だと思います。今、自分の「夢」を持っていない人も、人生の目的を思い出してください。それは、自分の根っこにある、ずっと大事にしてきた熱い思いや信念なのです。人生の目的が明確になれば毎日が楽しくなり、日々の生活をより充実させることに繋がると思います。
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