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柏丘中学校2年 齊藤斗真
「一生懸命頑張りましょう」
僕が物心ついてからというもの、何度も繰り返し耳にしてきた言葉たちです。
幼稚園のときのことですが、僕はクラスの中で小柄だったこともあり逆上がりがなかなかできずにいました。
休み時間や幼稚園帰りの公園など、時間を見つけては毎日毎日鉄棒に向かい、悔しさを原動力に手のタコが数えきれなくなるくらいに練習に励みました。その成果は実り、逆上がりだけでなくさらに上位の技まで習得することができたのです。先生たちや両親、友だちにもその頑張りを褒められ、認められ、自分の努力で手にした成功体験のひとつです。もともと不器用な性格でもある自分が「何事にも全力で一生懸命取り組もう!」と考えるに至ったきっかけのひとつでもあったと思います。
それから小学校から現在にいたるまで勉強も部活動も「自分の頑張りで努力は報われる」を信念に自分なりに努力を重ねてきました。
しかし、中学校に入ってからというもの、学校の授業、部活動、生徒会活動や塾の課題、習い事など、追われるような日々になり、自分の思っているような努力や時間をかけられなくなることが増えていきました。
そんなとき三者面談で担任の先生から「頑張りすぎていませんか?何も考えない時間をもてていますか?頑張らないことも頑張りましょう」との言葉をもらいました。
頑張らない。
頑張らないことは手を抜くことで、努力をしないことは怠けること。
手を抜くことも、怠けることもしてはいけないことのはずで、愚直に頑張ってきた自分は間違っていたのだろうか。では、これからはどうしたらいいのか。今までの自分を否定されたような気持ちになり、意味を理解はすれど腑に落ちずにいました。
が、逆を言えば今までの自分を見つめなおすきっかけの一言にもなりました。
そして、気付いたことは、頑張るのをやめてしまったら、自分で自分を認められない気がしていたこと。また、何もしてない時間にもどこかでそんな自分に罪悪感や焦燥感を感じてしまっていたこと。
たとえ不器用なやり方だったとしても今の自分は過去の自分の上にあるもので決して否定したくはありません。ただ、頑張るべきことと頑張らなくていいことをしっかりと見分け、頑張らなくていいことは全力で頑張らない。
本当に心を休める時間こそが、本当に頑張れる時間を作り出してくれるのかもしれないということ。折れることなくこれからも一生懸命に頑張れる自分でいるために必要なこと。それが、頑張らないことを頑張ることだと気付くことができました。
これからも、たくさんの壁にぶつかり、努力が報われずに落ち込む日も、自分を見失う日もあるだろうと思います。
頑張らない時間も頑張る時間も大切に、自分の心の声に耳を傾けながら前を向いて歩んでいきたいです。
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