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更新日:2025年3月21日

個性ってなんだろう

東白石中学校3年 境井愛桜

アイデンティティ、個性、自分らしさ。

Youtubeを見ていても、友だちと話していても出てくるこの言葉たち。多様性が叫ばれている今、色々なところで使われていますよね。自然と私も、自分のアイデンティティとは何か、個性とは何か、らしさとは何なのかと考える機会が多くなりました。そうして気付いてしまったのです。私には、これといった「個性がない」ということに。

皆さんはどうでしょうか。「あなたの個性は何ですか」こう聞かれたら、「○○です」とすぐに答えることはできますか。目を閉じて、一度考えてみてください。「私の個性はダンスが上手いことだ」「僕は文を書くのが得意だからそれが個性かな」このように、すぐに答えが浮かんできた人はこの中にどれくらいいるでしょうか。

世の中には、コンテストで優勝できるくらい絵が上手な人、歌が上手な人、自身の運動能力を仕事にできるくらい運動が得意な人など、色々な個性を持った人たちがいます。大袈裟で、言いすぎかもしれませんが、私にはこの人たちと自信をもって並べるほどの個性が、言い換えれば、個性と呼べるほど、何かに取り組もうとする熱意がないのです。

私は生まれてからずっと、周りに恵まれています。友人たちは私のことを「勉強ができてすごい」「運動もできてすごい」「優しいね」と言って沢山褒めてくれます。私はその言葉がとても嬉しかったから、勝手にその言葉を鵜呑みにし、自分が凄い人間で、何でもできるのだと自惚れて勘違いをして、ここまで生きてきたように思います。思い返せば、これまで血の滲むような努力をしたことはなく、個性も何もない人間の私。さて、どうしたものか。このままでは大人になっても無個性の、つまらない人間のままです。そこで私はもう一度、自分を見つめ直してみることにしました。

まず、自分は何ができて、何ができないのか。自分の性格の長所と短所はどこなのか。一から、真剣に考えました。歌を歌うことはとても好きだけれど、決して上手な訳ではない。勉強も、ある程度はできるけれど偏差値が七十を超えることはなく、一般的な数値でしかない。性格も、とびっきりに優しいわけでもないし……。

そう考えて、行き詰ってしまったので、私は改めて辞書で「個性」の意味を確認してみることにしました。皆さんはこの言葉の正確な意味をご存じでしょうか。「個性」とは、私が調べた辞書には、「他の人と違った、その人特有の性質・性格」「個人の特性」「個体に特有の性質」と書かれていました。簡単に言い換えると、「その人だけが持っているもの」という意味になるでしょうか。そこまで考えてみて、私は、それなら「その人のすべてが個性だ」ということになるのではないかと気付きました。

皆さんも考えてみてください。貴方と声、仕草、性格、特技、趣味すべてが同じ人間はこの世に一人もいないでしょう。ドッペルゲンガーという自分と瓜二つの顔面を持つ人がこの世には三人いると言われていますが、それは顔だけ。私達は唯一無二で、存在自体が「個性」でもあるのです。こう考えると、今まで見えてこなかった世界が見えてくるような感覚になりませんか。自分には優れている点がないからと肯定できなかった自分だけの色。自分とは合わないあの人のこと。その他沢山のことを受け入れて、肯定できる気がしてきます。

今ここに立って話している私も、私の話を聞いてくださっている皆さんも、自分らしさや個性をもっています。自分がもっている長所も、短所もひっくるめて個性なのです。大切なのは、このことを忘れずに生きていくことだと、私は思います。

生きていれば、自分や相手のことを嫌いになってしまう瞬間があるかもしれません。そんな時は、ダメなところも含めて、その人の個性であるということを思い出し、自分のことも相手のことも認めてあげられるように、見方を変えてみてください。このような考えの人が増えれば、私たちの住む白石区はより素敵な街に、もっと言えば、日本はより素敵な国になっていくはずです。これで発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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