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更新日:2025年3月21日

自分を知る

幌東中学校3年 佐々木星愛

皆さんは自分がどんな人間なのかと聞かれて答えることはできますか?私は答えることができます。なぜなら、自分とたくさん向き合ってきたからです。私が自分と向き合うようになったきっかけは“汝自身を知れ”という言葉に出会ったからです。これは「無知の知」という言葉で有名な古代ギリシャの哲学者ソクラテスが説いた哲学の格言です。この言葉は私に過大評価し傲慢にならずに自分の無知を自覚することの大切さを教えてくれました。

私は今まで、他者を知ること、物事の本質をつかむことが生きていくうえで最も重要であると考えていました。そのため、何をするにもまずは他の人と話し、合理的に動くための計画を立てることを優先するよう心がけていました。しかし、思い返してみると、今まで挑戦してきたこと、取り組んできたことは必ずと言っていいほど、自身の力に見合わない量の仕事を請け負っていたのです。例えば、昨年生徒会での活動と委員会での活動が重なってしまった時にでも、私ならできるだろうと考え、自分のことを過信したくさんの仕事を引き受けていました。私は、この思考に頻繁に陥っていたため、効率よくクオリティの高いものをつくらなければいけないと常に自分の首を絞めた状況をつくっていたのです。そんな時にこの言葉に出会い、自身の実力を見誤っていたということに気付きました。

また、総合的な学習の時間に「ジョハリの窓」を学び、そこで私は多くの「自分の知らない自分」を知ったのです。そして自分の知らない自分を知ることで、今までよりもさらに、能率的に働き、様々なことに貢献できると思いました。その日から私は、徐々に自分と向き合う時間が増え、以前よりも精神力が増したと感じています。

それでは、自身を知ることと他者を知ることのどちらが重要なのでしょう。社会では、他者とのコミュニケーションをとって共存していくことが前提であるため、他者を知ることの方が重要に思えますよね。しかし、自分以外の人の気持ちやスペックなどは正確に測ることができません。その点、自分を知るということは、自身を客観的にも主観的にも見ることができ、自分の力量を正確に知ることができるのです。これこそが自身を知ることと他者を知ることの大きな違いです。

自身を知ることは様々なことに繋がります。例えば、自己理解を深めることで、自分を客観的にみることができ、適切な判断、取捨選択、ひいては他者に対し、再度向き合うことができるため、自身の考え方の変化を感じることができます。これにより自分を知る前よりも思考の幅が広がり、多角的な視点を持つことができるのです。現代では、自分を知るたくさんの手軽な機会があります。多くの人との関わりを持つ日常で、自分というただ一人を見つめる方が自分の世界が深まるのではないかと考えます。他者と円滑にかかわるために、まずは自分の解像度(自分自身をよく知ること)を高めることが重要であるのです。

「自分を知ること」。これは自分の世界を広げ、豊かにしてくれます。私はこの言葉を通して、他者を理解するよりも自分の根底を理解する方が難しいものであるということに気付くことができました。もし自分のすべてを知ることができなくても、自分と向き合う、これこそが自分を知るために最も必要なことなのです。自分と向き合い、知ることができなのなら、きっとその先には自分が十分に活躍できる未来があると思います。皆さんも「自分とはどんな人間なのか」という問いに胸を張って応えられるように自身を探求してみませんか?

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