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夏など水温がやや高くなってしまう時期には、塩素のにおいがいつもより気になることもあるのではないでしょうか。不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、水道水中の塩素が人の健康に害を及ぼすことはありません。小さなお子様でも安心して飲んでいただけます。
本市が水源としている川の水はとてもきれいですが、それでも水中には数多くの微生物が生息しています。中には病原性の細菌など有害なものも存在するため、浄水場でしっかりと消毒をする必要があります。
しかし、ただ消毒をしただけでは、皆様のお宅の蛇口に届くまでに細菌が再発生してしまう恐れがあります。そこで役に立つのが塩素です!
塩素消毒が優れているのは、水中に残った微量の塩素(これを残留塩素と呼びます)の働きで、水が蛇口に届くまで消毒効果が持続するところです。残留塩素が水中の細菌などを殺菌し続けるので、安心して飲むことができます。浄水場では残留塩素が途中で消えてしまわないように、塩素の量を調節しているのです。
※水道法により、蛇口から出た時点で最低でも0.1mg/Lの残留塩素を保つよう定められています。また、水道水の味を損なうことのないように、1.0mg/L以下とする目標も定められています。本市の水道水の残留塩素はおおむね0.3~0.5mg/Lです。
世界保健機関(WHO)によると、残留塩素が5mg/L以下であれば、動物実験の結果から、体重60kgの人が1日2リットルを毎日飲み続けても健康に影響はないとされています。
※ただし、金魚などの水生生物は、人間よりもずっと体が小さく、エラが塩素に弱いため、水道水程度の塩素濃度でも弱ってしまうことがあります。魚の飼育に水道水を使う場合は、日なたに6~8時間汲み置くなどし、残留塩素を事前に除去して下さい。
札幌市は水源汚染もなく、安全でおいしい水なので、基本的には浄水器をつける必要はありませんが、塩素臭が気になる人は、浄水器をつけるということもひとつの手段ではあります。
ただし、浄水器内に滞留した水は残留塩素が無くなるため、雑菌が繁殖し易くなることがありますので、使用する場合は十分にご注意願います。
気温や体調などにより塩素臭を強く感じることがありますが、異常ではありません。もし気になるようであれば、
などの方法があります。ただし、塩素が消失すると細菌が増殖する可能性が高くなるので、早めに飲んでください。
札幌市には白川浄水場、藻岩浄水場、西野浄水場、宮町浄水場、定山渓浄水場の5つの浄水場があります。地区により、給水区域系統が異なりますので、下図を参考にお住いの地区の水道水がどの浄水場から来ているのかがわかります。
浄水場名 |
給水区域 |
---|---|
白川浄水場 |
市内広域地区 |
藻岩浄水場 |
市街中心部地区(主に中央区) |
西野浄水場 |
西区西野・福井・平和地区 |
宮町浄水場 |
手稲区稲穂・金山地区 |
定山渓浄水場 |
南区定山渓・豊滝地区 |
水質管理センターでは毎月、市内5つの浄水場について水質検査を行っており、その結果をHPで公表しています。
http://www.city.sapporo.jp/suido/overview/suishitu/result/index.html
浄水場別水質試験結果では各浄水場について、原水、(浄水)、配水、給水栓水の水質試験結果を記載しています。各浄水場の給水区域や配水・給水栓水の違いを知ると、どのような場合にどこの浄水場のどの結果を見るとよいかがわかります。
次に検水の種類について原水、浄水、配水、給水栓水とはそれぞれ次のような水です。
原水:水道水の元となる川の水です。
浄水、配水:浄水場で処理を行い、各ご家庭に配る前の浄水池もしくは配水池に蓄えられている水です。
給水栓水:各ご家庭の蛇口から出る水です。
例えば東区にお住いの方で、ご自宅の水道水の硬度を知りたい場合は、白川浄水場の給水栓水の水質検査結果をご参照ください。
みなさんは、水道水やミネラルウォーターに関して、「硬水(こうすい)」や「軟水(なんすい)」という言葉を耳にしたことはありませんか。水は、「硬度(こうど)」という水質項目の値により、硬水や軟水に分類され、特性もそれぞれ違うのです。
■硬度とは
硬度とは、水中のカルシウム及びマグネシウムの量を、これに相当する炭酸カルシウムの量(mg/L)に換算して表したものです。硬度の違いによる特徴を下の表に示します。
※1「スケール」とは、水中のカルシウムやマグネシウム等のミネラル分が析出したもののことです。
※2臓器の発達が未熟な乳児は、ミネラル成分が多いと下痢を起こしてしまう場合があるためです。
■硬度の基準と分類
硬度の水質基準としては、石けんの泡立ちを悪くするという観点から300mg/L以下とされています。また、水質管理目標値としておいしい水の観点から、水質基準値よりも厳しい範囲で10~100mg/Lが設定されています。
一般的に、硬度の高い水を「硬水」、硬度の低い水を「軟水」と呼びますが、WHO(世界保健機関)では、下表のとおり飲料水を硬度により4種類に分類しています。
※WHO(世界保健機関)による飲料水水質ガイドライン
令和5年度の白川浄水場給水栓水の硬度の結果は、30~40mg/Lでしたので、札幌市の水道水は軟水であると言えます。
■飲料水の硬度を計算してみよう!
飲料水の栄養成分表示のカルシウム量とマグネシウム量から硬度(mg/L)を求めることができます。
※式中の「2.497」や「4.118」は、カルシウム量とマグネシウム量を炭酸カルシウム量に換算するための係数です。
■水道水の水質データ
ミネラルウォーター類のボトルラベルに多く表示されている項目について、令和5年度の白川浄水場給水栓水の平均濃度は以下のとおりです。
水質項目 | 札幌市水道水 |
---|---|
ナトリウム | 12mg/L |
マグネシウム | 2.0mg/L |
カルシウム | 10mg/L |
カリウム | 1.8mg/L |
(硬度) | (35mg/L) |
※こちらは、水道水1Lあたりの成分含有量です。
「水道水が油くさい」という相談を頂きます。
浄水場では川の水のにおいや油分を確認しながら水を作っており、万が一油臭を感知した際は、活性炭と呼ばれる吸着剤を注入し、油臭を取り除きます。そのため、作られた水から油のにおいがすることはほとんどありません。では、なぜ水道水から油のにおいがすることがあるのでしょう?
考えられるケースとして、灯油タンクから漏れた油が水道管の材質によっては透過することによりにおいがしている可能性があります。そのため、水道管内で滞留した水が油くさくなってしまうのです。この場合、水道管や周りの土の交換が必要となり、多額のお金がかかってしまいます。
また、漏れた灯油はゆっくり時間をかけて周りの土や水道管へ染み込んでいくため、灯油が漏れてから数年後に油臭がすることがあります。
灯油漏れをすぐに発見できるよう、灯油タンクのメーターを日頃から確認するようにしましょう!
(参考)札幌市環境局ホームページ灯油漏えい事故にご注意を!
寒い冬の間に蛇口から出した水道水が、にごってしまうことはないでしょうか?配管に原因があるのではないかと思ってしまいますが、一度にごった水をコップに取ってみてください。
このような場合は水道水に溶け込んだ空気が無数の小さな泡となって出てきているもので、自然な現象です。空気が原因であるため、水質には全く問題がありません。安心して飲んでいただいて大丈夫です。
空気は水温が低いほど水に溶け込む性質を持っており、寒い季節には多くの空気が水に溶け込んでいます。そのため、蛇口から出した時に多くの泡が発生して、水が白くにごって見えることがあります。
また、右の写真の左側のコップのように時間をおいても、全体が白くにごったままである場合は、配管に原因があることがあります。その際には、お住まいの区を担当する水道局配水管理課までご連絡ください。
「実は水道水を飲むのは危険!?」というような記事をインターネットや本で見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。その理由としてよく取り上げられている物質に、「トリハロメタン」があります。今回は、このトリハロメタンについて説明したいと思います。
トリハロメタンは、メタン(CH4)の持つ4つの水素原子(H)のうち、3つが臭素原子(Br)や塩素原子(Cl)などのハロゲンに置き換わった構造の化合物です。水道水中では、消毒に使われている塩素が微量な有機物と反応することで、クロロホルム(CHCl3)、ブロモジクロロメタン(CHBrCl2)、ジブロモクロロメタン(CHBr2Cl)、ブロモホルム(CHBr3)の4種類が主に生成します。これらを総称して総トリハロメタンといいます。
トリハロメタンは発ガン性物質である疑いがあるため、水道水を一生飲み続けても発がんリスクが一定基準以下となるような数値として、水道法により下表のとおり水質基準が定められています。
項目 | 水質基準 | 札幌市水道水 |
クロロホルム | 0.06mg/L以下であること | 0.005mg/L |
ジブロモクロロメタン | 0.1mg/L以下であること | 0.004mg/L |
ブロモジクロロメタン | 0.03mg/L以下であること | 0.006mg/L |
ブロモホルム | 0.09mg/L以下であること | 0.001mg/L未満 |
総トリハロメタン(合計量) | 0.1mg/L以下であること | 0.015mg/L |
※札幌市水道水のデータは、白川給水栓水の令和5年度の平均値です。
札幌市の水道水のトリハロメタン濃度は基準値を大きく下回っています。それでも心配だという方は、水道水を煮沸して下さい。沸騰直後は残留塩素と有機物の反応が加速するためトリハロメタンが一時的に増加しますが、トリハロメタンには揮発しやすい性質があるので、沸騰後5分間以上煮沸するとほぼ完全に除去することが出来るということが実験で確認されています。
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