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今年も国内外から多くの観光客が、雪祭りのシーズンに札幌を訪れています。美しい街並みに囲まれている大雪像に歓声をあげ、驚く人たちの姿が、雪祭り会場ではよく見られます。私たち札幌市民としても、とてもうれしい光景です。
それと同様に、各地からの訪問者が驚きの声をあげ、絶賛するものが、札幌の地下鉄の中にあります。
それは、地下鉄に設置してある高齢者や体の不自由な人たちなどが座る『特別なシート』です。そのシートには、札幌市民ならば誰もが知っていると思いますが、「専用席(SpecialSeat)」の文字が書かれています。現在、全国でこのシートを導入しているのは、札幌市営交通の地下鉄のみです。
実は、全国の多くの電車・バス・地下鉄の『特別なシート』は、「専用席」ではなく「優先席」となっています。この違いをわかりやすく説明すると、空いていたら座って良いのが「優先席」で、空いていても座っていけないのが「専用席」です。
だから、札幌では、どんな時間帯でも、どんなに地下鉄が込んでいても、すいていても、若者や健常者は、その『特別なシート』に誰一人として座っていません。実に、驚くべき光景です。日本中を探しても、そんな街はどこにもありません。まさしく、札幌市民のプライドのあらわれだと、全国各地で絶賛されています。
もちろん、「専用席」には、様々な意見があります。「混雑しているのにもかかわらず、使用されていない」「特定の人々が、別の場所に追いやられている」「譲り合いの精神があれば、特別な席は要らない」など、その是非が問われています。
札幌の地下鉄は、札幌オリンピックの前年の1971年に開通し、1974年に「優先席」が設置されましたが、市民の声を反映して、1975年に「専用席」に変更されました。
札幌の地下鉄の「専用席」は合理的ではないと思う人もいるかもしれませんが、このルールを作った当時の札幌人の心意気とプライドを、私自身は強く感じます。そして、札幌という風土と多くの市民の努力で、このマナーがしっかりと受け継がれていることにも大きな誇りを感じています。
今年2月から、札幌オリンピックのテーマソングである「虹と雪のバラード」のメロディーが、地下鉄の到着時に、各駅のホームで鳴り響いています。
本当に、札幌って素敵な街だと心から思います。
平成31年3月1日
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