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更新日:2019年6月17日
5階東病棟では、平成27年より、日常の看護を振り返り発信することでお互いの看護の考え方を知り、理解し合い、認め合うことを目的に『看護を語る会』を開催しています。10月の開催で23回目を迎えました。『看護を語る会』は、部署の臨床指導者が中心となり、年間で計画し、開催しています。この取り組みは、患者さんやご家族との関わりで大切にしていることや、看護の実践の中で嬉しかったこと辛かったこと等を語りを通して共有し、お互いの看護観を理解する機会になっています。そして、お互いを理解することで、日々のカンファレンス等においても、一人ひとりの意見を聴き、尊重し、丁寧にすり合せを行う行動に繋がっています。
患者Tさんは、肺がんで入院時にはすでに予後が数か月、治療方針はBSC(ベスト・サポーティブ・ケア)でした。プライマリーナースの私は、Tさんが望むこと、今できることを大切にした看護がしたいと考えていました。Tさんは、外来でがんの告知はされていませんでした。入院時も、BSCであることから、ご家族の希望でTさんへの病状の告知はありませんでした。私は、告知をされていないTさんから病状が良くなることを信じる思いを聴き、辛い気持ちになることがありました。そんな葛藤を先輩に話すと、「どんな患者さんでも良くなりたいと希望を持っていることに変わりはない」という言葉があり、告知のありなしの問題ではないと考えなおしました。Tさんは、ご家族を信頼しており「全部任せているから」と穏やかに過ごされているように見え、告知をしないことはTさんのことをよく理解されているご家族の選択だったのかなと思いました。
私の勤務の日は、Tさんの体調を見ながら、お話しをする時間をつくりました。何気ない会話ばかりでしたが、Tさんがご家族と過ごす時間を大切にしていることが伝わってきました。そして、Tさんの体調が良い時に外出・外泊ができるよう、チームメンバーのアドバイスや支援を受けながら、ご家族と調整しました。実際に外出・外泊することはできませんでしたが、Tさんに今できる看護をチーム全員で一生懸命に考えてくれたことが心強かったです。これからも、やさしさを持って患者さんと関わる時間を大切にしていきたいです。
〇その人がどう生きたいかを知り、関わりたいと思いました 〇告知されていない患者さんへの関わりについて、自分も悩むことがあると思う。 一人で立ち止まらずにチームに相談しようと思った 〇プライマリーナースとご家族との関係が本当に素晴らしかった。Tさんもご家族もプライマリーナースが来ることで笑顔になっていた 〇誠実に関わることで、Tさん、ご家族との信頼関係が築けていたと思う |
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個々の看護師が看護に対する思いを語り合える場があることによって、自分たちの関わりがどうであるかを振り返り、看護にやりがいを感じられる機会となっています。今後も継続し、患者さん、ご家族の思いを大切にしながら、心の通う看護を実践していきたいと思います。
5階東病棟の宝物:今までの語りをすべて保管しているファイル
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