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○インタビューした方:取締役副社長 犬嶋 ユカリさん
○設 立:1985年
○従業員数:15名(男性67%、女性33%)
○事業内容:①官庁の新築・改修・解体工事
②高齢者福祉施設・保育園・病院の新築・改修工事
③民間企業社屋等の新築・改修工事等
○ホームページ:https://inouegiken.co.jp/
1985年に井上技研が創業して今年で40年になります。1995年に先代が亡くなり、現社長の犬嶋清幸が会社を引き継いで、創業20年目を「第2創業」と位置づけ、経営理念の見直しを行いました。その中で社長が「中小企業だけれども、新卒採用ができる会社にしたい」いうかねてよりの大きな目標があり、中途採用がほとんどだった中、女性も含め新卒採用を進めて行こうと決めました。
わたし自身、東京の中堅ゼネコンに入社したときに、「女性活用」を会社が推進しようとする対象となった第一号の女性でした。当時、社内のほとんどの方が「女性活用」についてどうしていいか分からない中で、「なんだか面倒くさいな」という雰囲気もあり、いろいろ苦労もありました。そのときの経験もあって、女性も活躍できる会社づくりを進めようと思ったのです。
北海道は理系、特に建築学部がある学校が非常に少ない一方で、求人は全国から何千と来るので、大手が圧倒的に有利です。当初いろいろな学校に相談に行きましたが「中小企業が新卒をとるのは無謀」と、なかなか相手にしてもらえませんでした。
そんな中、合同説明会や学校にご挨拶に行くなど、コツコツ活動を続け、20年目にしてようやく新卒採用ができました。以来、多い年で3名、内定が出ても辞退され一人も採用できない年もありますが、毎年新卒採用を続けています。また、弊社では、接待交際費などこの業界で多くかかる費用をできるだけ抑え、新卒採用費や社員教育費にあてるなどの工夫もしています。
女性に限らず男性も、職場でいろいろな悩みがあるときに、相談しやすい環境作りが大切と思っています。弊社では2022年8月に「見える化と言える化」を一つのテーマに、男性も女性もいきいきと働ける職場づくりを進めています。そこでは仕事自体の充実やキャリアアップはもちろん、仕事環境や福利厚生面での働きやすさ、ワークライフバランスへの取り組みも行っています。
本来なら年齢が近く相談しやすいロールモデルのような方がいるのが理想ですが、弊社ではまだそうした方が育っていません。そこで、定着が難しいといわれる介護業界から総務部長職に入ってもらい、相談しやすい環境づくりを進めています。また、弊社では現在3名の女性が働いています。今後は子育て中の女性技術職の方も採用できればと考えています。
私自身、父親が10年、母親が15年、併せて25年間両親の介護をしながら、仕事を続けていました。大変でしたが、仕事を続けていたからこそ介護もできたという面もあります。子育てや介護だけに専念すると、むしろストレスが上手に発散できないこともあります。これからの時代は、育児や介護をしながら働く方が増えてくると思いますし、企業もこうした方のワークライフバランスを考えて変わっていかなければいけないと思います。
なかなか難しいですが、残業ゼロを目指しています。現在の取り組みとしては、月に1回のノー残業デーを設けています。その日にどうしても残業しなければいけない社員には、別日に振り替えてもらうなど、月1回は必ず全社員に早く帰ってもらい、リフレッシュできる時間を確保するようにしています。
長く働いていた方からは「そんなの必要ない」という意見もありましたが、社長が「まずはやってみよう」と。今では「残業がないとこんなに自分の時間を使えるんだ」と思ってもらえるようになり、やはりやってみることの大切さを実感しました。
ありがとうございます。会社というのは働いている人全員が、みんなで作っていくものだと思います。今年二年目の男性社員に「なぜ中小企業のうちを選んだの?」と聞いたことがあります。その社員は「女性活躍をうたっているから。女性が働きやすい会社は、若い男性も働きやすいと思った」と答えてくれて、とてもうれしかったですね。このような声を聞くと、弊社の取り組みが若い世代にもしっかりと届いていることを実感します。実際に、2023年1月には、男性社員が育休1カ月を取得しました。これらの成果をさらに発展させ、今後も、社員全員が働きやすい環境づくりに取り組んでいきたいですね。
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